2024年01月11日

アスベスト建材を使用した建物を解体するときは

アスベストとは

アスベストとは、繊維状に変形した天然鉱物の総称で、別名「石綿(いしわた)」とも呼ばれます。アスベストの成分となる鉱石には「クリソタイル(⽩⽯綿)、アモサイト(茶⽯綿)、クロシドライト(⻘⽯綿)」などがあります。
このアスベストは、非常に軽いのが特徴です。そして、熱や摩擦、化学薬品への耐性を持ち、加工も容易にできるといった優れた性能を持っています。 
その優れた性能から、戦後高度経済成長期には「奇跡の鉱物」と呼ばれ、建材だけでなく自動車の部品や家庭用品に至るまで、非常に多くの用途に使用されました。
このように非常に優れた素材ですが、非常に細かな繊維構造をしているため、人体(肺)に入ると肺の奥底まで入り込んでしまいます。入り込んだ石綿は15年~40年経過したのち、悪性中皮腫を引き起こすことがあります。
 

アスベストはどのような経緯で使用されなくなったのか

昭和50年(1975年) 労働基準法特定化学物質等障害予防規則(特化則)の改正により、⽯綿含有量「5重量%」を超える吹き付けが原則禁⽌になる
平成7年(1995年) 特化則の改正により、⽯綿含有量「1重量%」を超える吹き付けが原則禁⽌になる
平成16年(2004年) 労働安全衛生法施⾏令の改正により、石綿含有建材の製造が禁止になる
平成17年(2005年) 石綿障害予防規則制定により、⽯綿含有量「1重量%」を超える吹き付けが完全禁⽌になる
平成18年(2005年) 労働安全衛生法施⾏令の改正により、⽯綿が重量の0.1%を超える製品の輸⼊・製造等が全⾯禁⽌される
建築物においては、平成16年(2004年)以前に建てられたものはアスベスト含有物が使用されている可能性があります。

2023年10月1日より有資格者による調査報告が義務化

2022年4月より解体前には石綿含有状況調査を行うことが既に義務化されていましたが、2023年10月1日より有資格者による調査報告が義務化されました。
これにより解体業者は必ず有資格者を確保する必要があり、調査報告を怠った場合、または虚偽の報告を行った場合は、大気汚染防止法に従い30万円の罰金が科されることがあります。

調査にかかる費用とは

これまでみなし対応をしていた工事業者においても全て調査費用が追加されることになります。調査費用については、業者によって異なりますが概ね5万円~15万円と高額になることが予想されます。
この調査費用については 国が補助制度を創設していますので、地方公共団体経由で補助金が支給され、補助額は原則として、25万円/棟となっています。
※補助制度を行っている地方公共団体に限るので、お住まいの地方公共団体にお問い合わせください。 
因みに、石綿が含有されていた場合の除去作業にかかる費用目安は、おおよそ2万円~9万円/㎡(除去面積)だそうです。
建物解体は、この石綿含有物調査を行ってからのスタートとなります。
相続したものの思いもよらぬ費用がかかるため、解体が思うようにできないなどの悩みが出てきます。また、そのまま放置すれば管理不全空き家や特定空き家に認定され、固定資産税があがるなど、デメリットが大きくなります。
そうならないためにまずは弊社へご相談ください。
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